図1. インフルエンザ、COVID-19 感染者数経時的推移
本レポートでは、2024年第15週における全国のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況について、示しています。図1(上図)は、全国のインフルエンザ定点医療機関報告数とCOVID-19感染者数の推移を示しています。 過去の同時期(第15週)のインフルエンザ定点医療機関報告数は、COVID-19発生前の2018年(灰・点線)は約8千人、2019年(灰・実線)は約8千人であり、どちらのシーズンでも第5週頃にピークを迎えていました。2024年の本週(赤)は、COVID-19発生前の2018年および2019年よりも幾分多い状況にありますが、本週は前週より約1万2千人さらに減少しました。一方、COVID-19は、2024年の本週(青)は約13万人で、昨年(2023年水色)の同時期の約5万7千人より多く、感染者数は前週より減少傾向にあります。
定点医療機関報告数について、インフルエンザ(図2a)とCOVID-19(図2c)を比較すると、首都圏(東京、神奈川)を中心に、インフルエンザ・COVID-19の報告数は他の地域よりも多いものの、全国的に減少しています。
定点当り報告数では、インフルエンザは更なる全国的な感染者数の減少により地域差がなくなってきており、岩手、秋田、山形、新潟、鳥取で流行が認められます(図2b)。一方COVID-19は、定点当り報告数は減少し10を超える地域はなくなっており、東北地方を中心に流行が認められます(図2d)。
本週では、インフルエンザは全国の定点当り報告数が5.1→2.69まで減少し、昨シーズン収束時の感染者数にほぼ近い状況となっています。全国的にみて、インフルエンザとCOVID-19の感染者は、東北地方で相対的に多い状況にあります。
図2. インフルエンザ、COVID-19 流行マップ
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名古屋市立大学データサイエンス学部 准教授/名古屋市立大学大学院医学研究科 次世代医療開発学分野 准教授 間辺 利江
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学 特任准教授 川出 義浩
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 助教 神林 弾