図1. インフルエンザ、COVID-19 感染者数経時的推移
本レポートでは、2024年第3週における全国のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況について、お示ししています。過去の同時期(第3週)のインフルエンザ定点医療機関報告数は、COVID-19発生前の2018年(灰・点線)は257,576名、2019年(灰・実線)は268,220名であり、本週は 87,318名と前週より約2万人増加しました。 図1(上図)は、全国のインフルエンザ定点医療機関報告数とCOVID-19感染者数の推移を示しています。本週では、全国インフルエンザ定点医療機関報告数(赤)は前週より増加、COVID-19感染者数(青)も同様に前週より増加しています。COVID-19についても、前週と比較し約1万人増加しており、インフルエンザとCOVID-19の同時流行に注意が必要な状況です。
定点医療機関報告数について、インフルエンザ(図2a)とCOVID-19(図2c)を比較すると、首都圏や大都市を含む県で、インフルエンザとCOVID-19の両方の報告数が多い状況です。定点当り報告数のインフルエンザ(図2b)とCOVID-19(図2d)との比較では、インフルエンザの流行は沖縄で最も高く、九州全体でも広く流行が認められます。一方、COVID-19定点医療機関報告数は、前週よりさらに増加しており、北海道、関東、中部地方を中心に、他県よりもCOVID-19の流行が特出しています。定点当り報告数を踏まえると、特に埼玉、千葉、愛知、佐賀、大分、熊本、宮崎ではインフルエンザとCOVID-19の同時流行が観察されています。
インフルエンザは保育所・幼稚園・小学校・中学校・高等学校にて、第2週(学級閉鎖91校)→第3週(学級閉鎖2,205校)と増加、COVID-19も20代以下の感染割合の増加が報告されているため、インフルエンザ・COVID-19共に、若年層の全国的な増加傾向が認められています。
図2. インフルエンザ、COVID-19 流行マップ
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名古屋市立大学データサイエンス学部 准教授/名古屋市立大学大学院医学研究科 次世代医療開発学分野 准教授 間辺 利江
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学 特任准教授 川出 義浩
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 助教 神林 弾