2024年第4週（1月22日～1月28日）について

図１. インフルエンザ、COVID-19　感染者数経時的推移

本レポートでは、2024年第4週における全国のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の状況について、お示ししています。図１（上図）は、全国のインフルエンザ定点医療機関報告数とCOVID-19感染者数の推移を示しています。 　過去の同時期（第4週）のインフルエンザ定点医療機関報告数は、COVID-19発生前の2018年（灰・点線）は約26万人、2019年（灰・実線）は約28万人であり、どちらのシーズンでも約5週でピークを迎えていました。2024年（赤）はCOVID-19発生前の年と比較してインフルエンザの感染者数は少ないですが、現在上昇傾向を示しており、本週は前週より約7千人増加しました。COVID-19は、2023年（水色）の同時期は約40万人で減少傾向にありましたが、本年・本週（青）は約55万人と昨シーズンより多く、上昇傾向にあります。インフルエンザ・COVID-19共に増加傾向を示しております。 　定点医療機関報告数について、インフルエンザ（図2a）とCOVID-19（図2c）を比較すると、首都圏や大都市を含む県で、インフルエンザとCOVID-19の報告数が共に多い状況です。

定点当り報告数では、インフルエンザでは福岡と沖縄で最も高く、特に九州・沖縄地方で広く流行が認められます（図2b） 。一方、COVID-19では愛知から山間部に沿って、長野、北関東（群馬、栃木、福島）、千葉、石川で流行が認められます（図2d) 。定点当り報告数を踏まえると、特に千葉や愛知ではインフルエンザとCOVID-19の同時流行が観察されると言えます。
本週のインフルエンザによる保育所・幼稚園・小学校・中学校・高等学校の学級閉鎖は、前週より3,548学級増加し、またCOVID-19は10代未満の感染割合の急増が報告されており、インフルエンザ・COVID-19共に、若年層（10代以下）の感染者の全国的な増加が認められています。

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名古屋市立大学データサイエンス学部 准教授／名古屋市立大学大学院医学研究科 次世代医療開発学分野 准教授　間辺 利江
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学　特任准教授 川出 義浩
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 助教 神林 弾