図1. インフルエンザ、COVID-19 感染者数経時的推移
このレポートでは、2024年第1週における全国のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況について、お示ししています。図1(上図)は、全国のインフルエンザ定点医療機関報告数とCOVID-19感染者数の推移を示しています。本週は、全国インフルエンザ定点医療機関報告数(赤)は前週(2023年52週・ピンク)より大きく減少する一方、COVID-19感染者数(青)は前週(2023年52週・水色)より増加しています。過去の同時期(第1週)のインフルエンザ定点医療機関報告数は、COVID-19発生前の2018年(灰・点線)は80,215名、2019年(灰・実線)は78,399名であり、本週は 61,918名と前週より約4万人減少し、4週続けて減少傾向が続いています。昨シーズンのインフルエンザの流行は2月上旬前後でピークを迎えており、依然として流行に注意が必要な状況です。COVID-19については、本週も緩やかに増加傾向を示しています。
定点当り報告数について、インフルエンザ(図2b)とCOVID-19(図2d)を比較すると、インフルエンザの流行は全国的に減少傾向にありますが、一部の地域(茨城、岐阜、宮崎)で流行が認められます。一方、COVID-19定点医療機関報告数は、前週よりも緩やかに増加しており、特に岐阜では前週より66%増加し、他県よりも特出しています。定点当り報告数を踏まえると、岐阜ではインフルエンザとCOVID-19の同時流行が観察されています。
定点当り報告数について、インフルエンザ(図2b)とCOVID-19(図2d)を比較すると、インフルエンザは全国的に流行しており、特に青森、高知、熊本、大分、宮崎で多くの流行が認められます。一方、COVID-19定点医療機関報告数は、前週よりも緩やかに増加しており、北海道、および大都市を含む東京、愛知は他の都道府県よりも流行しています。定点当り報告数から鑑みると、大分、熊本ではインフルエンザとCOVID-19の同時流行が観察されている状況です。
図2. インフルエンザ、COVID-19 流行マップ
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名古屋市立大学データサイエンス学部 准教授/名古屋市立大学大学院医学研究科 次世代医療開発学分野 准教授 間辺 利江
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学 特任准教授 川出 義浩
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 助教 神林 弾