図1. インフルエンザ、COVID-19 感染者数経時的推移
本レポートでは、2024年第9週における全国のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況について、お示ししています。図1(上図)は、全国のインフルエンザ定点医療機関報告数とCOVID-19感染者数の推移を示しています。 過去の同時期(第9週)のインフルエンザ定点医療機関報告数は、COVID-19発生前の2018年(灰・点線)は約8万6千人、2019年(灰・実線)は約3万人であり、どちらのシーズンでもほぼ第5週にピークを迎えていました。2024年の本週(赤)は、COVID-19発生前の2018年と比較して少なく2019年よりは多い状況にあり、本週は前週より約1万4千人減少しました。一方COVID-19は、2023年(水色)の同時期は約7万5千人で減少傾向にあり、2024年の本週(青)は約28万人と昨シーズンより多いものの、前週よりさらに減少しています。過去の推移と比較し、インフルエンザおよびCOVID-19のピークは、全国的には減少傾向にあります。
定点医療機関報告数について、インフルエンザ(図2a)とCOVID-19(図2c)を比較すると、北海道、首都圏を中心に、インフルエンザ・COVID-19の報告数は、他の地域よりも多い状況が続いています。
定点当り報告数では、インフルエンザは北海道、山形、石川で流行が認められます。(図2b)。またCOVID-19は東北地方の一部、石川、新潟で流行が認められており(図2d)、石川、山形はインフルエンザとCOVID-19の感染者が相対的に多い状況にあります。前週と比較し、全国的にインフルエンザとCOVID-19は減少しているものの、インフルエンザは北海道、青森、山形では経時的に増加傾向が続いています。
図2. インフルエンザ、COVID-19 流行マップ
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名古屋市立大学データサイエンス学部 准教授/名古屋市立大学大学院医学研究科 次世代医療開発学分野 准教授 間辺 利江
名古屋市立大学大学院医学研究科 総合診療医学・総合内科学 特任准教授 川出 義浩
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 助教 神林 弾