日本国内における
SFTS (重症熱性血小板減少症候群)の状況

Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome

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SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは 

日本国内におけるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の状況

・重症熱性血小板減少症候群(SFTS, Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)は、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症です。日本国内では、2013年1月に初めて患者が報告され、2021年以降は国内感染者が毎年100名を超えています。特に本年は、5月以降の感染者数が例年よりも急増し、第33週週(8月17日現在)までにすでに140名の患者が報告されています(内、死亡7名、致死率5.0%)。 (図1)(図2)

・我々の研究によると、国内のSFTS感染者数は季節変動があり、5~7月に集中し、更に10月に感染者が増加します(Roger‘s test , p<0.001)。(図3)

・地理的には、西日本を中心に、九州、四国、中国、関西に感染者が多く分布集積して来ましたが、近年、愛知・静岡・神奈川・北海道と、徐々に東へと拡大傾向にあります。(図4)

・直近4週間の、感染者の集積地域は(感染者が集中している地域)は、2025年第32週(8月4日から8月10日)は兵庫、鳥取、広島、山口、徳島、香川の集積地域が認められました( p=0.045 )。しかし、33週( 8月11日から8月17日)は有意な集積地域は認められませんでした。

・本年は過去最多の感染者数を更新し続けており、全国規模で感染リスクが高まっていると考えられます。夏の終わりから秋にかけても注意を継続することが必要です。

・マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン、防止、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくする、マダニ用の虫よけ剤を使用する、また、屋外活動後は入浴し、マダニにさされていないかを確認しましよう。

2025年8月26日更新

データ・情報ー厚生労働省・国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
厚生労働省 人口動態統計  総務省 人口推計
研究ー名古屋市立大学研究チーム EID Research Resource Library


図1.日本におけるSFTS症例数の経時的推移 (2013年~2025年*)


図2.SFTS症例の発生年別の症例数・死亡者数 (2013年~2025年*)


図3.SFTS症例数の経時的(週数毎)の推移と過去年平均値との比較


図4.SFTS症例数の地理的分布と感染者の集積地域マップ:年別データによる


図5.直近4週間のSFTS症例数の地理的分布と感染者の集積地域マップ


図6.都道府県別SFTS症例数-直近4週間




◆お問い合わせ

EIDリサーチ・リソースライブラリ研究グループ
事務局: 名古屋市立大学データサイエンス研究科 間辺研究室内

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